ABOUT GUL

私はMAという名でアーティストをしている。
グラフィティがバックボーンにあり政治的や社会的な事柄を元に、現実に充満する「陰」を鑑賞者へと突きつける事をテーマとしてきた。だからなのか、尖っている、攻撃的だとそう形容されてしまう。必ずしも納得はできないが、客観的にはそうらしい。
ただ希望を感じ安らぎを与えられる様な、そんな作品はどうしても作れなかった。こんな世界なのに、そんな作品を自分が作る事に整合性がとれなかったし、嘘はつけなかった。

娘はもうすぐ3歳になる。
この3年間で自分の中に変化が生まれた。娘は私へ、失っていた素直さや希望を、もう一度、与えてくれた。そして私はいつの間にか娘の幸せを強く望む「父親」になっていた。
こんな世界、だからこそ、希望のある、そんな作品を作りたいという素直な想いが芽生えていた。

時を同じくして、アパレルブランドTRAVSのviii氏から、子供のための洋服を一緒に作らないかとの提案をもらった。4歳年上で、私よりも早くに「父親」となっていた氏は、私の様な「癖」の強い人間を受容してくれるアニ的存在であり、私はその提案を快諾した。そしてこの「GUL」が生まれた。

スエーデン語で「GUL」は黄色を意味し、太陽、光、そして希望をイメージさせる。
「GUL」は、子供達がこれから歩む未来が、希望に満ちた愛のある素晴らしい世界がであってほしいという、我々のシンプルな想いを込めた作品だ。
極めてパーソナルな子供達への想いという「点」ではあるが、子を持つ親のあなたならば共感をしてくれるはずだ。

 2022.03 MA

MA : https://zmawamz.jp/

TRAVS : http://www.travs8.com/